おおかみさんがあらしの日に出会ったお友達は、
なんと大 好物のやぎさんでした。
おおかみさん食べずにいられる のでしょうか…
作:木村裕一
絵:あべ弘士
2013年06月15日
週末、大阪市中央公会堂で開催された第24回小児科医会総会フォーラムに参加しました。
「子どもから学ぶ!聴く!そして育む−熱く語ろう 子どもの未来 in Osaka−」というテーマのもと、全国各地から小児科医が参加し講演・討論が行われました。
予防接種に関しての講演では、国と現場とでの温度差を痛感させらました。
多くのひとに正しいことを知ってもらうため、私個人としても広く啓蒙していくことの必要性を感じました。
また、経皮感作と食物アレルギーとの関連性が示唆されており、特に生後6ヵ月までの皮膚の状態が重要のようです。
外来受診時に皮膚状態が気になるお子さんに対しては、今までも「スキンケア」の必要性を伝えてきました。今後は今回学んだことも踏まえて、より積極的にスキンケアの重要性を伝えて行きたいと思います。
それでは、講演で印象に残ったことをいくつかご紹介します。
【 現在の風疹流行に関して】
「もはや従来の通知等での対応だけでは、事態の根本的な改善が見込めないことは明白で、成人感受性者に対する緊急の対策が求められる」として、厚生労働大臣に対し「風しんにかかる臨時の予防接種の実施に関する要望書」を提出した。
(5月23日付け:日本小児科学会・日本小児科医会・日本小児保健協会・日本外来小児科学会)
風しんを予防接種法第6条第1項に規定する臨時接種の対象疾病とするよう要望した。
しかし、財政がないこととその他の疾患が多いこと(水痘、流行性耳下腺炎)を理由に、受け入れられず。
【おたふくかぜ】
おたふくかぜに自然罹患した子の1000人に1人が難聴で苦しんでいる。
(耳が聴こえなくなってからでは遅い)
【こどもの輝く未来を保証するために】
(1)子供達の未来を感染症から守る
(2)ワクチン接種は子供の権利
(3)感染症対策は国の責任で行う必要がある
【生後9ヵ月頃の絵本読み聞かせについて】
周囲の人と注意を共有できる時期なので、母子関係に非常に良い影響を与える。
【食物アレルギーについて】
(1)経皮感作との関連性が示唆されており、生後6ヵ月までの間の皮膚の状態が重要。
(2)食物アレルギーを起こしそうな子供の離乳食は送らせがちであったが、免疫寛容を獲得するため早めに開始する方がよい。
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第24回小児科医会総会フォーラム
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2013年06月11日
先日、当院で夜尿症(おねしょ)についての勉強会をしました。
夜尿症は、自然経過で治癒することが多く、以前は自然経過を見守る考えが主流でした。
しかし近年は、本人や家族の心理的負担の大きさや一部の症例では成人への移行も報告され、
就学以後も持続する夜尿症には生活指導とともに様々な治療が試みられています。
夜尿で困っているお子さんがおられたら、一度、当院に御相談下さい。
夜尿症関連サイトはこちら→夜尿症ナビ
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タグ: 子育て
2013年06月07日
風疹の流行が社会問題になっています。
現在の流行は、20~40代の男性の罹患が多いです。この世代は、過去のワクチン制度下ではワクチン対象者として漏れていた世代で、実際に抗体保有率が低くなっています。
ウイルス感染の最大の問題点は、妊娠初期の女性が感染すると胎盤を通して胎児に感染してしまい、先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome:CRS)を合併することです。
先天性風疹症候群の赤ちゃんは、生まれもって白内障や心疾患、難聴といった障害をもって生まれてきます。
統計によると、1999年4月から2012年12月までの間に生まれた先天性風疹症候群の赤ちゃんは24名で、2012年に限ると5名生まれています。
しかし、2013年はまだ半年も経っていないのに5名の出生があり、この数は今後も増え続けると予想されます。
風疹は社会で制圧する感染症です。風疹はワクチンで予防できます。
6月6日から宮崎市でもMRワクチンを接種する方へワクチン代の一部助成(4000円)が始まりました。
この機会に、抗体価が低い女性だけではなく、妊娠可能な女性の御主人も接種しましょう。
(詳細は「麻しん風しん混合(MR)ワクチンの任意接種における接種費用の一部助成について」をご参照ください。)
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タイプ: ワクチン
2013年06月06日
《便秘とは》
便の回数が1週間に2回以下で排便困難を伴うものと言われていますが、明確な定義ではありません。
4~5日間隔でも規則的で苦もなく便が出ていれば便秘ではないし、逆に毎日便が出ていても、残った便が少しずつ蓄積して腹痛の原因になったりすれば、それは便秘です。
《便秘の症状》
乳児ではお腹が張って機嫌が悪くなったり、哺乳が悪くなったりします。
排便時に激しく泣いたり、硬い便に血が付くこともあります。
2~3歳になると腹痛や排便時の肛門の痛みを訴えるようになります。
《便秘の原因》
新生児期
母乳の方がミルクで育てているよりも排便の回数は多いようです。
生後1~10週ぐらいの時に苦しそうに排便をするのは、力んだり肛門を緩めたりできないからで、しばらくすれば排便方法が身に付くので問題ありません。
1ヶ月を過ぎると腸の働きが整い、母乳の消化吸収がよくなるため排便の回数が減ります。
乳幼児期
特に離乳食が始まった頃に便秘がちになる子どもは多く、なかには牛乳の飲みすぎによるものもあります。 野菜や果物の摂取量が少なかったり、繊維不足でも便秘になりやすくなります。 偏った食事や運動不足のほか、肛門痛や学校でトイレに行けない等の心理的な要因も便秘の原因となります。
《便秘の予防》
マッサージ(乳児期)
・『の』の字マッサージ…仰向けに寝かせて、おへそを中心に時計回りに優しくさすります。
・金魚運動…お尻と足を支えるように持って、金魚が泳ぐかのように左右に動かします。
・屈伸運動…寝転んだ赤ちゃんの足首を持って、ペダルこぎの要領で足を屈伸させます。
・肛門マッサージ…両足を持ち上げて、肛門のすぐ上の辺りや肛門の周りをゆっくりと押します。
母乳の質改善(乳児期)
母乳の質は母親の食べる物に大きな関係があるといわれています。
肉や乳製品など脂肪分が多いものばかり食べると母乳もドロドロして出にくくなり、乳児はおっぱいを吸う力がいるため汗をかき水分不足となります。
便秘改善の食事(乳幼児期)
・便を軟らかくする・・・ビタミンCやペクチンを多く含む食材(人参、バナナ、オレンジ、プルーンなど)
・腸を整える・・・・・・乳酸菌。善玉菌が生きたまま腸に届くものを選ぶとよいでしょう。
・便の量を増やす・・・・消化されにくい食物繊維を多く含む食材(豆類、海苔、きのこ類など)
規則正しい生活リズム(幼児期)
決まった時間にトイレに座る習慣は排便の改善に不可欠です。身体が慣れてくると、条件反射の働きも加わり一層排便しやすくなります。
時間としては、朝食後の少しでも便意を訴えた時が最適で、トイレに5~10分ゆっくりと座らせましょう。
リラックスして座れるように明るく快適なスペースにしてあげましょう。
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