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かばくん通信(院内報)

【 かばくん通信について 】

 さとう小児科の院内報として作成している「かばくん通信」。
 平成18年5月に第一号を作成して以来、ご来院いただいた皆様に支えながら、毎月一回の発行を続けております。
 当院からのお知らせや感染症情報、気なる病気の詳しい情報や「こども医療」に係わる注目情報を、サクッと取りまとめてご案内しています。
 当院の受付にて配布(無料)していますので、ご来院の際はどうぞお手にとってごらん下さい。

 院内報「かばくん通信」および当ホームページのコンテンツは、さとう院長を編集長として、さとう小児科スタッフの全員で記事を作成してます。

Recent Posts

未来を生きるこども達の健康②

2013年08月10日

シリーズ【未来を生きるこども達の健康】

(2)食品添加物とこどもの健康 

食の未来 農林水産省の発表(平成23年度)によると、日本の食品の自給率は39%です。私たちは、海外からの輸入食材に頼ることによって食を確保しています。

 そもそも、海外から運ばれてくる食材は輸送に時間がかかります。ですので、品質を保つため防腐剤が必要で、政府は食品の製造の過程、食品の加工、保存の目的での食品添加物使用を認めています。

 食品添加物のおかげで、私たちは安定した食品供給を受けています。しかし、食品添加物は「食品」ではありません。そのほとんどが「化学物質」で、本来は私たちの体にとっては不必要なものです。

 食品添加物が子ども達の健康や発達に悪影響を与えているのではないか、という報告が散見されますが、どれも決定的な証拠はありません。しかし、だからといって安全とも言い切れないのです。

 安全なもの選ぶことができない子どもに何を食べさせるかは、親が責任を負っています。自分のお子さんにどういったものを食べさせているか、皆さん、本当にご存知ですか?

一度、原材料名の表示を確認してみて下さい。

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 子どもの健康食品添加物

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予防接種の現状と課題について

2013年07月17日

先日(6月27日)、久留米大学小児科の津村直幹先生をお招きして、
第200回宮崎市郡小児科医会学術講演会「最近の予防接種の現状と課題」が行われました。

とても有意義な内容で、大変勉強になりました。
以下に簡単なまとめを記しておきますので、御参照下さい。

 

【世界のがんの原因について】

・がんの原因の18%が慢性感染症 ← ワクチンで防げる!

 

【がん予防ワクチンには】

B型肝炎ワクチン、子宮頸がんワクチンがある

 

【小児B型肝炎ウイルス感染症の現状】

・ウィルスがキャリア化している
・母子感染65%、父子感染 24.5%、兄弟間 3.5%、その他 7%

※水平感染した小児のHBVワクチン歴なし

 

【B型肝炎の疫学(世界)】

・ 全世界で3.5億人のB型肝炎ウイルスキャリア。(2億人以上がアジア在住)
・ HBV関連疾患による死者は、全世界で年間100万人以上。(死亡順位の10番目。アジアとアフリカに多い)

 

【子宮頸がんワクチン】

<子宮頸がんの原因ウイルス>

・HPV16型:50%、HPV18型:20%

<子宮頸がんワクチンによる副反応報告>

・サーバリックス:91件/695万7386接種機会(0.0013%)
・ガーダシル:15件/168万8761接種機会(0.0009%)
・上記副反応で、複合成局所疼痛症候群(CRPS)は3例報告。
・CRPSは神経因性疼痛の代表疾患。外傷、採血、注射などがきっかけ。

 

【肺炎球菌ワクチン】

 現在、我が国の疾患別死亡原因の第3位は肺炎であり、肺炎の原因の約25〜30%は肺炎球菌といわれている。

 新しく定期接種へ。その究極の目的は細菌性髄膜炎を中心とした小児浸襲性感染症の予防。

<疾患別の年齢分布>

・ 3ヵ月未満で肺炎球菌髄膜炎あり。←生後2ヵ月からワクチンデビューが重要。
・ 生後6ヵ月から急激に肺炎球菌非髄膜炎の発症数が増加。←母親由来の移行抗体が減少する影響。

 

【BCG】

<BCGによる骨炎・骨膜炎>

・2001〜2004年度(対象が4歳未満):計4例(年平均1例)

・2005〜2010年度(生後6ヵ月未満):計18例(年平均3例))

→今年4月から、1歳に至るまで。(標準:生後5〜8月未満に変更)

 

【ロタウイルスワクチン:感染の特徴】

<ロタウイルスの感染経路として、糞口感染が主である>

・ 1gの糞便中に1000億個のウイルスが存在。

・ 接触・飛沫感染の可能性も考えられる。

<感染力が強い>

・ 1〜10個のウイルスが口に入るだけで感染が成立すると言われている。

<安定したウイルス>

・ 器物やテーブル上でも最低数時間は感染力を保持でき、おもちゃからの検出例もある。

・ 石鹸や一般的に用いられている除菌剤に対して比較的耐性がある。

<ロタワクチン接種時期>

・WHOはどちらのワクチン(ロタリックス、ロタテック)も14週6日までに初回接種を終えるよう勧奨。

 

【MRワクチン】

<妊婦の風疹罹患時期と先天性風疹症候群>

妊娠初期になりやすい。(2週:60% 4週:40% 10週:20% 16週以降は低いが0%ではない)

<MRワクチンの接種時期>

 2013年度から2期までの接種。→95%以上の接種率を!

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 予防接種

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未来を生きるこども達の健康①

こどもみらい科学技術の進歩は、安定的な食料生産、安定した居住、インターネットの普及など、多くの物質上の恩恵を私たちにもたらしました。

しかし一方で、多彩な食品添加物の使用や環境ホルモンへの曝露、メディアの発達による情報の氾濫など、以前には予想できなかったことが身の回りで起きています。

このような時代の到来により、こども達のライフスタイルも変化してきています。
目先の利便性を追求した結果、こども達には如何なる影響がおきているのでしょうか?

「こどもにとっての豊かさとは何か?」

「こども達の未来を見据え、どのようにしたらよいか」

私たち大人は、責任をもって考える必要があるのではないでしょうか。

(次回は、「食品添加物とこどもの健康(仮)」について掲載の予定です。)

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 子どもの健康生活習慣

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どうつき合う!?だだっこ・かんしゃく

 子どもがある程度、自在に体を動かしたり、言葉を話すようになってくると

「できる」ことの喜びに加えて、「できない」「やってもらいたい」ことへの不満や憤りを感じる場面が増えてきます。

それらを激しい感情で、一番身近な大人=親にぶつけてくるのが、だいたい2歳前後。

思いどおりならない「むしゃくしゃ感」を、だだやかんしゃくという形で表現しているのです。

 こうした状態は、程度の差こそあれ、ほとんどの子どもにあります。

今はそういう時期なのだと割り切って、一緒に対策を練りましょう!

 

 「知っていると子どもが変わる!だだっこ対処法」

 

1.子どもの感情を受け止める。

「わかってるよ」のサインとして子どもを抱き、まずは落ち着くのを待ちましょう。

「○○できなかったんだね」などその時の子どもの感情を言葉にし、「ママはちゃんとわかってるよ!」ということを伝えます。

子どもは、自分に共感してくれたり、気持ちを変えようとしてくれるママの助けを借り、混乱した気持ちを収めていきます。

 

2.なぜいけないか、できないか納得できるよう説明する。

混乱した気持ちを受け止め、子どもの思いに添えるなら親も譲歩を。

添えない時は、短く分かりやすい言葉で理由を伝えます。

たとえ子どもが言葉を全部理解しなくても、「自分の気持ちを分かろうとしてくれている」「でも今は(これは)ダメ」というメッセージは伝わります。

 

 3.機嫌が直らなくても1と2を繰り返して!

それでもすぐに機嫌が直る子は少ないはず。根気よく1,2を続けましょう。

大事なのは、思いどおりにならないこともあるけれど、我慢したり、気持ちを切り替えたりすると気分もよくなり、いいこともあるんだという経験を子供が積んでいくこと。

そばで見守り、援助してくれる人がいることで、気持ちのコントロールを少しずつ学んでいけるのです。

 

  【 まとめ 】

 生活の場や人間関係が広がることで、子どもは「できない自分」「失敗する自分」「頑張っても続かない自分」に出会うことになります。

そんな時に助けになるのが、自分で気持ちをコントロールする力。

1、2歳の子はだだかんしゃくを起こしながら、この大切な力を育てます。

それを助けているのが、すぐそばで見守っているママやパパなのです。

つらいのは、ほんの一時期!ここで親子の信頼の絆をしっかり結ぶことで、3歳を過ぎると子どもがぐんと成長していきます。

  

※『すくすく子育て』参照

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: しつけ子育て

小児医療について

2013年06月15日

 週末、大阪市中央公会堂で開催された第24回小児科医会総会フォーラムに参加しました。

 「子どもから学ぶ!聴く!そして育む−熱く語ろう 子どもの未来 in Osaka−」というテーマのもと、全国各地から小児科医が参加し講演・討論が行われました。

 予防接種に関しての講演では、国と現場とでの温度差を痛感させらました。
多くのひとに正しいことを知ってもらうため、私個人としても広く啓蒙していくことの必要性を感じました。
 また、経皮感作と食物アレルギーとの関連性が示唆されており、特に生後6ヵ月までの皮膚の状態が重要のようです。
 外来受診時に皮膚状態が気になるお子さんに対しては、今までも「スキンケア」の必要性を伝えてきました。今後は今回学んだことも踏まえて、より積極的にスキンケアの重要性を伝えて行きたいと思います。

 

 それでは、講演で印象に残ったことをいくつかご紹介します。

【 現在の風疹流行に関して】

「もはや従来の通知等での対応だけでは、事態の根本的な改善が見込めないことは明白で、成人感受性者に対する緊急の対策が求められる」として、厚生労働大臣に対し「風しんにかかる臨時の予防接種の実施に関する要望書」を提出した。
(5月23日付け:日本小児科学会・日本小児科医会・日本小児保健協会・日本外来小児科学会)

 風しんを予防接種法第6条第1項に規定する臨時接種の対象疾病とするよう要望した。
しかし、財政がないこととその他の疾患が多いこと(水痘、流行性耳下腺炎)を理由に、受け入れられず。

 

【おたふくかぜ】

おたふくかぜに自然罹患した子の1000人に1人が難聴で苦しんでいる。
(耳が聴こえなくなってからでは遅い)

 

【こどもの輝く未来を保証するために】

(1)子供達の未来を感染症から守る
(2)ワクチン接種は子供の権利
(3)感染症対策は国の責任で行う必要がある

 

【生後9ヵ月頃の絵本読み聞かせについて】

周囲の人と注意を共有できる時期なので、母子関係に非常に良い影響を与える。

 

【食物アレルギーについて】

(1)経皮感作との関連性が示唆されており、生後6ヵ月までの間の皮膚の状態が重要。
(2)食物アレルギーを起こしそうな子供の離乳食は送らせがちであったが、免疫寛容を獲得するため早めに開始する方がよい。

 

↓↓↓ 関連サイトはこちら 
第24回小児科医会総会フォーラム

 

作成者:さとう院長

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: ワクチン, 読み聞かせ, 離乳食

タイプ: アレルギー風疹

夜尿について

2013年06月11日

 先日、当院で夜尿症(おねしょ)についての勉強会をしました。

 夜尿症は、自然経過で治癒することが多く、以前は自然経過を見守る考えが主流でした。

しかし近年は、本人や家族の心理的負担の大きさや一部の症例では成人への移行も報告され、
就学以後も持続する夜尿症には生活指導とともに様々な治療が試みられています。

 

 夜尿で困っているお子さんがおられたら、一度、当院に御相談下さい。

 

夜尿症関連サイトはこちら→夜尿症ナビ

                     

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 子育て