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 さとう院長 の個人ブログページです。

 日頃から感じていることや医療に対する考えなどを、ゆったり綴って参ります。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 さとう小児科 院長  佐藤 潤一郎

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百日咳について

2018年09月01日

◎ どんな病気?

百日咳菌と呼ばれる細菌がのどなどについておこる感染力のたいへん強い感染症です。

多くの場合、家族や周囲の人から感染します。

大人でも学校や職場で集団感染することもあります。

問題は、赤ちゃんをはじめ家族にうつすことです。

母親からもらう免疫力が弱いために新生児でもかかることがあり、6か月以下とくに3か月以下の乳児が感染すると重症化します。

今でも、年間1万人くらいかかっていると推定されます。

年長児や大人でせきが長引くときは、百日咳のこともありますので、医師とご相談ください。

 

 

◎ 予防は?

四種混合(DPT-IPV)ワクチンで予防します。

生後3か月から4週間隔で3回受けると予防効果が高くなります。

1年後の追加接種までしっかり接種しましょう。

 

 

◎ 就学前の接種について

小学校入学後の百日咳患者さんが増えています。

四種混合ワクチンの接種者の抗体低下による百日咳の感染が心配な場合は、MRワクチンの2期の時期に合わせて三種混合ワクチンの任意接種をお勧めします。

 

 

◎ 2種混合(DT)ワクチンの接種について

11~12歳には、ジフテリアと破傷風予防の2種混合ワクチンを接種します。

2種混合ワクチンには百日咳ワクチンが含まれていないために、百日咳の抗体価が下がり百日咳が流行する問題があります。

百日咳にかからないために、2種混合ワクチンに代わって3種混合ワクチンの任意接種をお勧めします。

 

 

宮崎県は、高知県についで全国2番目に人口当たり罹患者数の多い県です。

当院では任意接種になりますが、2種混合ワクチンから3種混合ワクチンへの変更と年長児での3種混合 ワクチン追加接種を奨めていきたいと思います。

ご希望の方は当院スタッフまでご相談下さい。

 

(知ってなっ得!感染症の予防参照・子どものVPD参照)

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ワクチン百日咳

百日咳の予防

2018年08月01日

予防接種関連で今、注目されている病気の1つが百日咳です。

今年の1月より、百日咳は全例把握疾患となり、以前よりも詳細に発生状況が把握できるようになりました。

「2018年第1週から第16週の百日咳感染症のまとめ」によると、百日咳の罹患者は全国で1023人。

好発年齢は、

(1) 6ヶ月未満

(2) 5~15歳未満

(3) 子育て世代(30~40代)になっています。

ちなみに、宮崎県は高知県についで全国2番目に人口当たり罹患者数の多い県です。

 

百日咳は、4種混合ワクチンで予防できる病気ですが、不活化ワクチンのため徐々に抗体価が下がります。

そのためワクチンを接種したにもかかわらず学童期以降、百日咳にかかってしまうケースが増えており、予防接種スケジュールの見直しが検討されています。

現在、見直しが検討されているのは、

(1) 学童期の2種混合ワクチンを3種混合ワクチンに変更

(2) 年長児への3種混合ワクチン追加接種です。

これらが早急に定期接種化されることを祈ります。

 

 

当院では、任意接種ではありますが、2種混合ワクチンから3種混合ワクチンへの変更と年長児での3種混合ワクチン追加接種を奨めていきたいと思います。

ご希望の方は当院スタッフまでご相談ください。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ワクチン, 予防接種, 百日咳

ポリオはワクチンによる予防が大切です

ポリオ(急性灰白髄炎)は、感染すると約1000~2000人に1人の割合で手足の“まひ”を起こし、後遺症を残します。

まひ症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。

国内では、1980年以降に野生株ポリオウィルスによるまひ患者は発生していませんが、海外から持ち込まれるリスクはゼロではありません。

ポリオには有効な治療法がなく、ワクチン接種が唯一の予防法です

 

◎ 5回目の接種で、低下した抗体価が再び上昇します

・不活化ポリオワクチンは現在4種混合ワクチンに含まれ、 定期接種で4回接種しています。

・4回目接種から時間が経つと、抗体価(感染を予防する力 を数値であらわしたもの)が徐々に低下します。

(平成24 年11月以前に単独不活化ポリオワクチンを接種している 方も同様です)

・抗体価をより高く維持するために小学校入学前(年長児) に5回目の追加接種をおすすめします。

(現在、宮崎市は 公費助成がなく、自費となります)

・欧米諸国では小学校入学前に追加接種が実施されています。

◎ ポリオワクチンの接種パターン

(1) 経口生ポリオワクチン2回

(2) 経口生ポリオワクチン1回+ 不活化ポリオワクチン3回

(3) 不活化ポリオワクチン4回

(4) 4種混合ワクチン4回

 

 ポリオワクチン接種パターンが、(1) の方は、5回目接種の必要はありません。

しかし、(2) ~ (4) に該当する方はワクチンの抗体価が徐々に下がるため、小学校入学前(年長児)に 自費になりますが追加接種をおすすめします。

ワクチン接種をご希望の方は、お気軽に窓口にてお問い合わせ下さい。

 

参照:サノフィ株式会社「もっと知りたいポリオワクチン」

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ポリオ, ワクチン, 予防接種

絵本とふれあってみよう

2018年07月01日

当院では絵本を身近に感じてもらうことや、待ち時間を利用して子ども達と絵本に触れ合って もらうことを目的に、現在540冊の絵本をそろえ絵本の貸し出しも行っています。

実際、待合室では「ママ(パパ)、これ読んで」と絵本を親に持っていく子どもや、自分で絵本を 開いて声を出して読んでいる子ども、手当たりしだい本を出し入れして遊ぶ子どもなど色々な形で 絵本と楽しむ様子が見受けられます。

今後さらに、子ども達が絵本と上手に付き合っていける工夫が病院で出来るよう、現在の絵本の 貸し出し状況についてまとめてみました。

(H29年4月~H30年4月)

  

◎ 人気ランキング

【 1位 】おしくらまんじゅう

【 2位 】くれよんのくろくん/さつまのおいも/どんぐりむらのほんやさん

【 2位 】やさいのがっこう

 

 ◎ 年齢別ランキング

【 1歳 】10%

【 2歳 】15%

【 3歳 】12%

【 4歳 】30%

【 5歳 】13%

【 6歳 】13%

【 7歳 】 7%

 

 ◎ その他人気本

・バムとケロシリーズ(もりのこや  おかいもの にちようび そらのたび)

・かえってきたおとうさんはウルトラマン

・うみへいくピンポンバス

・しろくまのぱんつ

・ピヨピヨハッピーバースデー

・えとえとがっせん

・りんごかもしれない

 

 ◎ 月別貸し出し人数

【 4月 】19

【 5月 】22

【 6月 】16

【 7月 】10

【 8月 】22

【 9月 】24

【 10月 】31

【 11月 】31

【 12月 】30

【 1月 】26

【 2月 】21

【 3月 】26

【 4月 】29

 

H29.4月~H30.4月の絵本貸し出し人数の結果は、月平均24人で、4歳の子が多く借りていました。

年々借りられる人数が増えています。

かばくん通信で毎月『おすすめの絵本2冊』を掲載しています。

貸し出しについては、1人2冊まで2週間借りることができます。

当院を受診しているご兄弟さんの分も借りることができますので、ぜひたくさん本を借りて読んでみて下さい。   

 

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 絵本

不活化ポリオワクチン就学前追加接種

ポリオは天然痘の次に撲滅できる疾患と言われていますが、現在でも紛争地域を中心にポリオの発生が報告されています。

1980年を最後に日本では野生株ポリオウイルス感染者の報告はありません。

ポリオ羅患者がいなくなったのはポリオワクチン接種の成果であることはいうまでもありません。

 

日本では、不活化ポリオワクチン(四種混合に含まれる)の4回接種が定期接種として実施されています。

しかし、不活化ポリオワクチンでは時間の経過と共に抗体価が減衰するため、現行のポリオ予防接種プログラムではポリオに対する予防効果が不十分と考えられています。

また近年、日本を訪れる外国人が増加し、輸入ポリオ感染症のリスクが高まっています。

海外では、より確実にポリオを予防するために、5~6回ワクチンを接種している国もあります。

日本でも近日中に、日本小児科学会から年長児でのポリオの追加接種が推奨される予定です。

それに先駆け、青森県藤崎町や千葉県いすみ市では年長児に5回目のポリオワクチン接種の公費助成が始まっています。

 

宮崎市でも公費助成がでるようになる事を願いつつ、当院でも年長児での不活化ポリオワクチン接種を推奨していきたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ポリオワクチン

薬剤耐性菌への世界的な対策

2018年06月01日

今回(平成30年4月)の診療報酬改定では、「小児抗菌薬適正使用支援加算」が新設されました。

これは、薬剤耐性菌の脅威に対する世界的な取り組みの一貫として新設された加算になります。

なぜ、薬剤耐性菌への取り組みが必要なのでしょうか?

それは、抗菌薬の不適切な使用のため薬剤耐性菌が世界中で増えているにもかかわらず、新規の抗微生物薬の開発は停滞しているからです。

このまま対策が行わなければどうなるか?

2050年には薬剤耐性菌により死亡する人数は世界中で約1000万人/年に達し、癌で年間に死亡する患者数をはるかに上回るといわれています。

抗菌薬は20世紀最大の発見と言われています。

しかし、21世紀の今、不適正な抗菌薬の使用により世界は脅威に曝されているのです。

当院では、今までも抗菌薬の適正使用に努めて参りましたが、今後も尚一層、抗菌薬の適正使用に努めて参りたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 抗菌薬