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 さとう院長 の個人ブログページです。

 日頃から感じていることや医療に対する考えなどを、ゆったり綴って参ります。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 さとう小児科 院長  佐藤 潤一郎

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『子育て支援の経済学』

2023年06月01日

先日、日本小児科医会の主催する、第25回「子どもの心」研修会(前期)に『子育て支援の経済学』の著者である山口慎太郎先生をお招きし、講演をしていただきました。

 

少子化対策には、女性の家事・育児の負担を軽減させることがポイントとし、その政策として

(1)保育所拡充と待機児童解消(現物給付)

(2)男性育休推進

をあげています。

 

特に印象的だったのは、「男性の育児休業」の取得が少子化対策に繋がる話でした。

日本の場合、男性の育児休業は約4〜6週と短めですが、それでも育児休業は積極的に取得するべきとしています。

なぜならば、育児休暇を取得した場合、取得しなかった場合と比べると

(1)3年後の子育て時間・家事時間が優位に長くなる

(2)母親のフルタイム就業率が5%増加する

ことがあげられます。

 

男性が育休休業を取得しやすくするためには、休業中の賃金保証をすることが大切になってきます。

 

今回の講演で、少子化対策には男性の育児参加が大切であることを再認識させられました。

作成者:さとう院長

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タグ: 子育て少子化対策

新型コロナが5類に移行して何が変わるか?

2023年05月01日

5月8日から新型コロナウイルスの感染法上の分類が2類から5類に変更になります。

「5類になったら小児科クリニックはどうなるの?」基本的には大きく変わりません。

というのも、小児科の殆どのクリニックは、新型コロナウイルスの検査・診察を行ってきたからです。

 

懸念事項として、

①類型が引き下げられても新型コロナウイルスの病原性が弱毒化するわけではありません。

今後も、このウイルスは変異を繰り返します。

このウイルスがどのように変異していくか引き続き注視していく必要があります。

 

②約3年間隔離されていたものをインフルエンザと同等扱いするには、世の中の同意が十分に得られていないと感じます。

インフルエンザと同等の扱いになっても、新型コロナウイルス感染者をその他の発熱患者さんと同じ空間でいてもらうことに社会の同意はまだ十分得られていないと思います。

当分は、今まで同様、新型コロナウイルス感染の疑いのある方はその他の方と分けて診察になります。

作成者:さとう院長

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タグ: 新型コロナウイルス

『夜尿症』と『自己肯定感』

2023年04月01日

毎年、年度初めになると「夜尿症」の相談が多くなります。

特に、学校行事やクラブ活動で宿泊を伴う機会が多くなる小学校高学年のお子さんの相談が非常に多くなります。

 

夜尿症があるお子さんの自己肯定感は低くなりがちです。

ただでさえ、漏れてしまうことへの罪悪感、他の兄弟(特に弟や妹と)との比較、他人に言えない孤独感、早く治したい焦り。

これだけでもしょんぼりしがちですが、それに加え、親御さんから「なぜ漏らしてしまったの」という叱責が加わると・・・想像するだけでも辛くなってきます。

 

多くの場合、夜尿症はそのまま放置でもいずれ改善します。

しかし、生活療法を含めた治療を行うと治癒の時期を早めることができます。

また、宿泊の際も計画的に準備をすれば、本番の時におもらしを回避することが可能となります。

 

勿論、本人の努力や御家族の協力は必要ですが、加療し夜尿症を克服したお子さんはとても嬉しそうな顔をします。

一人でも多くの夜尿のお子さんに笑顔になってもらいたい!

 

当院では、夜尿症の治療は自己肯定感を高めるためのいい機会と捉えています。

作成者:さとう院長

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タグ: 夜尿症自己肯定感

「子どもの権利条約」〜「4つの権利」と「4つの原則」

2023年02月01日

子どもの権利条約は、子どもが一人の人間として基本的人権を所有し行使する権利を保障する条約です。

1989年11月20日に国連総会で採択され、1990年9月2日に国際条約として発行され、日本では1994年に批准されました。

「子どもの権利条約」には前文と54条項が記載されています。

各条項で規定されている内容は、子どもの「4つの権利」に該当します。

①生きる権利 ②育つ権利 ③守られる権利 ④参加する権利 です。

子どもの権利条約には、「子どもの権利」を行使するため、子どもだからこその権利も盛り込まれています。それが、4つの原則です。

①生命、生存及び発達に対する権利 ②子どもの最善の利益 ③子どもの意見の尊重 ④差別の禁止 になります。

しかし、成長段階にある子どもは身体的・精神的に未熟で、経済力もありません。

立場の弱い子どもが自立できるまでは、社会から十分な配慮や保護が必要です。

作成者:さとう院長

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タグ: 子どもの権利院長の言葉

「新型コロナ感染症」と「子どもの権利」

2023年01月05日

新型コロナウイルス感染症の流行が始まり約3年が過ぎ去ろうとしていますが、このウイルスはまだまだ私たちの日常生活に暗い影を落としており、今年の年始は過去3年間で最もコロナ感染症の直接的な影響を受けた年始になっています。

 

新型コロナウイルス感染症の流行で私たちの生活状況は一変しました。

子どもたちもその煽りを受け、大人以上に不自由な生活が強いられています。

国連・子どもの権利委員会は、2020年4月8日に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する声明」を出し、新型コロナウイルスの世界的流行が及ぼす身体的、心理的な影響に触れ、「子どもの権利」を保護するよう求めましたが、対応は国に任されており様々です。

「子どもの権利とはいったい何か?」ウィズコロナが叫ばれるようになり久しいですが、今年は「子どもの権利」を念頭においた活動を行っていきたいと思います。

作成者:さとう院長

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タグ: 子どもの権利院長の言葉

「ペアレント・トレーニング」(以下PT)をご存知でしょうか?

2022年11月02日

「ペアレント・トレーニング」(以下PT)をご存知でしょうか?  

PTは発達障害のある子どもの保護者を対象にしたプログラムですが、全ての子育てに通ずる考え方ですので、簡単に紹介します。

PTの考え方では、子どもの行動を、①好ましい行動 ②好ましくない行動 ③危険な行動・許しがたい行動 の3つに分類します。

保護者は、それぞれの行動に対し、①→ほめる ②→叱らずに無視(見て見ぬふり)をする ③→制限を設ける で対処します。

②は叱らなくていい場合があるので、②と③を区別することが重要です。

また、②や③の行動をとっていても①に転じた場合は、すかさずほめることが大切になります。  

 

PTがうまくいくコツは、ほめのハードルを下げることです。

ちょっとした好ましい行動でも保護者にほめてもらうと子どもは嬉しいものです。

保護者の方が子どもの上手なほめ方を学ぶことにより親子共に自己肯定感を高め、結果的に親子の良い関係を築くことを願います。

作成者:さとう院長

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タグ: ペアレント・トレーニング子育て