【 発熱とは 】
ウイルス感染などのいろいろな原因に基づき、脳の中にある体温調節中枢が異常をきたし、体温が37.5℃以上に上昇した状態です。
発熱は、子どもにとって最もありふれた症状です。
【 発熱のメカニズム 】
感染が起こると、白血球などのウイルスを食べてやっつける免疫細胞の働きが活発になります。
この免疫細胞は、脳に「敵襲!感染が起きたぞ!発熱を起こして敵を撃退せよ!」という情報を伝えます。
そして、脳は体の各器官に熱を上げる様指令を出します。
なぜ感染すると発熱するのか。
その理由として、体温が高いほど病原菌の活動が弱まり、白血球の活動が促進されるためと言われています。
【 ホームケア 】
● 保温と冷却
悪寒は体温が上がり始める時に起こります。
掛物をするなどして保温をして下さい。
熱が上がり暑がる時は、本人が嫌がらない程度におでこや脇の下、足の付け根を冷やしてあげましょう。
● 高い熱が出ると脳がやられる?
高熱だけでは脳に障害は起こりません。
稀に高熱を出した子どもの中に脳炎や脳症、髄膜炎といった脳に直接影響のある病気を起こす事があります。
それは髄膜炎や脳炎のために脳が傷つくからで、高熱により起こるものではありません。
熱の高さよりも、高熱が何日続くかが最も重要となります。
● 部屋の温度
室温は夏なら28℃前後、冬は22℃前後に調整し、冷房は風が直接当たらない様にします。
また、冬場は空気が乾燥しがちなので加湿するとよいでしょう。
● 解熱剤
機嫌が良く、水分・睡眠が十分に取れている場合は使う必要はありません。
解熱剤の使用目的は、熱に伴う症状の緩和です。
他の症状が和らげば、平熱まで下がらなくても心配はありません。
症状が和らいだ時に十分に水分を与え脱水を予防しましょう。
● お風呂
熱が低めで機嫌の良い時に疲れない様に汗をさっと流して、清潔にしましょう。
高熱時は、湯船に浸かるのを止めてシャワーやタオルで拭く程度にしましょう。
● 食事と水分
吐いたり下痢したりしていなければ好きなものでもかまいません。
消化のよいでんぷん質のもの(おかゆ、うどんなど)が良いでしょう。
食べられなくても水分はとるようにして、脱水を予防することが重要です。
【 受診の目安は… 】
□ 3カ月未満の乳児
□ 3日以上高熱が続いている
□ 不機嫌でぐったりしていたり、目の焦点が合わない
□ 水分が摂れず、尿が半日以上でていない
□ けいれんを起こしている、起こした
□ 何回も嘔吐を繰り返している
どれか1つでもあてはまる場合は、
早目に掛かりつけ医や、医療機関を受診しましょう!