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第23回思春期の臨床講習会に参加して

2024年12月01日

先日、日本小児科医会の主催する「思春期の臨床講習会」に参加しました。

「思春期とメディア」というテーマで、警察庁の方や児童精神科医、カウンセラー、小児科医の方から講演していただきました。

 

警察庁の方の講演は、インターネットを通じた児童性被害の現状、国・警察における対応、生成AIについての取扱等の話があり、小学生での性被害が増えていること、一見何でもないところから性被害が起こるなど貴重なことを教えていただきました。

児童精神科医やカウンセラーの方からは、ゲーム依存・インターネット依存の現状や現場での対処、なかなか断ち切ることができない社会状況や患者家族との苦悩などを話して下さいました。

 

普段、発達障害の臨床に関わっている小児科医からは、発達障害があるとネット依存になりやすく、予防には「リテラシー」教育が必要であるとおっしゃってました。

講演を聞いて、ネットにおける性被害や依存の最善の治療は、一次予防であると再認識しました。

これからも、日々の啓発に努めて参りたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: リテラシー教育子どもとメディア

紙vsデジタル学習、深い学びは紙がよい

2024年06月01日

日本小児科医会「子どもとメディア委員会」の委員で、宮崎でも講演していただいた富山大学・山田正明 先生は、紙媒体を活用した学習の方がデジタル学習よりも記憶、集中しやすいとの調査結果を英国医師会雑 誌「BMJ Open」に投稿し、オンライン掲載されました。

 

山田先生は、紙とデジタルの学習を比較した研究は過去にも国内外で実施され、多くの研究で「紙がよい 」とされているが、今回の研究でも記憶と集中に関して「デジタル学習は紙での学習に劣ることがわかった 」と述べられています。

 

またこの調査では、デジタル学習は眼の疲労が強いことも指摘しております。

 

全国の小中学校では、GIGAスクール構想の導入でICTを活用した授業が強力に押し進められています。

しかし、ICTでの授業は「記憶」「集中」に関しては学習効果が低い可能性が示唆されています。

学校では、それぞれの長所・短所を考慮した教育や学修方法を望みます。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子どもとメディア院長の言葉

なぜ「子どもとメディア」なのか?

2024年01月05日

あけましておめでとうございます。

今年も引き続き佐藤小児科をよろしくお願いいたします。

 

当院では、「子どもとメディア」について大きな関心を持っています。

「子どもとメディア」を論じる時に大切にしていることは、「子どもの育ち」には何が必要なのか、あるいは何を優先すべきかということです。

世の中の多くの親御さんは、「子どもには心身共に健康に育ってもらいたい」と願っていると思います。

勿論、我々小児科医もそう願いますし、子どもに関わる職種の皆さんも同じ思いではないでしょうか。

 

「子どもとメディア」の講演会や討論会に参加すると、子どもに関わるそれぞれの立場から「子どもの育ち」が如何に大切かいう議論が多くなされます。

その中には、「規則正い生活」、「睡眠」、「目の発達」、「遊び」・・・など。

 

子どもの育ちに何が必要か、メディアによって子どものどういった育ちが損なわれるのか、健診などを通じて今後もお伝えしていきたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子どもとメディア子どもの健康

子どもとメディア

2021年01月12日

テレビ、ビデオ、ゲーム、パソコン、スマホ…いつの間にか私たちの生活にあふれている「電子映像メディア」。

情報化社会にとっては不可欠となっていますが、メディア漬けの実態が明らかになり、子どもの生活習慣が大きく様変わりしています。

『自分の手で何かをつかみ五感で感じて、身体を通して周りの世界や目の前の人に働きかけていく』という子ども本来のあり方が、メディアやネットの世界では大きな偏りをもって経験されます。

からだと心の発達段階にある子どもたちへの影響をきちんと考える時が来ています。

 

◎ 小児科医もメディア漬けに警鐘

幼児期は「小さな言語学者」と呼ばれるように、話し言葉の基礎が確立する大事な時期です。

また、睡眠、排泄、食事、着脱衣などの基本的な生活習慣が形成される時期でもあります。

小児科や小児保健の研究結果から、テレビ、ビデオの長時間視聴と言語発達の遅れや生活習慣の形成に 関連がある事が明らかになっています。

 

 

もしかしてメディア漬け?!

1つでも当てはまると要注意!!

□ 幼児期からテレビやビデオに子守をさせていた

□ 朝から晩まで殆どテレビをつけっぱなしの生活

□ 早期教育ビデオにはまっている

□ 両親ともそろってテレビ好き

 

【 子どものメディア接触時間の目安

年齢

メディア接触時間の目安

大人の役割

0歳児

メディア接触を避ける。

子どものいるところではスマホ・パソコンを

使わない。(~5歳)

1~2歳児

基本的にはメディア接触を避ける。

良質なものを選ぶ。スマホ・タブレットは、

(親族とのテレビ電話以外は)触らせない。

3歳~就学前

子どもだけでは見ない、触らせない。

話し合って内容を選び、ともに視聴する。

スマホ・タブレットは上に同じ。

小学校低学年(1~3年生)

話し合って内容を選び、1日1時間以内の接触にとどめる。スマホ・ゲームはネットにつながない。

児童期における仲間との遊びと学びを提供

する。

小学校高学年(4~6年生)

話し合って内容を選び、1日1時間以内の接触にとどめる。調べ学習以外、基本的にネットにつながない。

思春期前期の親離れの時こそ、ことばによる

話し合いや理解を深める機会を持つ。

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子どもとメディア子どもの健康

メディアから子ども守るために

2020年12月01日

コロナ休校中、約9割の子どもたちがゲーム・動画視聴・SNSといったスクリーンタイムが増えたと報告されています。

一方、最近、肥満や体調の不良を訴える子供たちの受診が増えている印象がありましたが、急速な視力低下や体重の異常な増加、心の変調など子供たちの異変が各地の学校から報告され始めています。

 

長年、私達小児科医は「過度なメディア接触による子どもの育ちの歪み」を訴えてきましたが、新型コロナ感染の影響で「子どもの育ちの歪み」は次のステージに進んでしまった印象を拭えません。

 

今、子どもたちには、「メディアから自分を守る術」を教えなくてはいけないと強く思います。

メディアから得られる情報を鵜呑みにするのではなく、その情報がどんな意図で作られ発信されているか自ら判断し正しく利用することや、メディア機器の長時間利用による健康被害を知ること、それらを周りの大人たちが伝えることが必要ではないでしょうか。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子どもとメディア

子どもの生活リズム

2018年12月01日

子どもたちの健やかな成長には、「早寝早起き朝ごはん」をはじめとした規則正しい生活習慣が大切です。

近年、子どもたちの生活習慣の乱れが学習意欲・体力・気力の低下の要因の1つとして指摘されています。

周囲の大人が子どもの生活習慣や睡眠の重要性を理解し、子どもの生活リズムを見直してみましょう。

 

睡眠習慣の確立と改善の為に早起きから始めてみましょう

生体時計は1日25時間のため、生活リズムは次第に後ろにずれるようになっています。

このため昨夜まで23時に寝ていた子どもを、いきなり21時に寝かすのは至難の業です。

生活リズムの改善は早起きから始めましょう。

  

(1)

1日の始まりにしっかりと朝日を浴びると、体内時計を24時間のリズムにリセットできます。

朝、カーテンを開けて光や風を入れましょう。

(2) 

朝ごはんは、1日の元気の素です。

午前中の脳や体の大事なエネルギー補給です。

しっかり噛んで食べる事で、脳から気持ちを安定させる物質が分泌され、心が落ち着きます。

(3)

太陽の光を浴びて、しっかり運動をすると体温も上がり、代謝も分泌されます。

適度に疲れる事で、夜に寝つきやすくなります。

(4)

明るく騒がしい寝室では、浅い睡眠になってしまいます。

テレビの音量を小さくし、照明を暗くすると深い睡眠を促します。

 

夜に明るい光を浴びると、体が朝と勘違いして寝つきにくくなることがあります。

夜中に明るい光を浴び続けると、体内時計のリセットが上手くいかず、リズムが乱れて、昼夜逆転するようになります。

 

睡眠 ・ 覚醒リズムは、朝の自然光により前進し、夜の人口光により後退しますが、効果が出るまでにはある程度の時間を要します。

まずは1か月間、朝しっかり太陽の光を浴びましょう。

夜はテレビ、DVDなどを視聴しないといった光環境の調整を試みてはいかがでしょうか?

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 子どもとメディア子どもの健康