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 さとう院長 の個人ブログページです。

 日頃から感じていることや医療に対する考えなどを、ゆったり綴って参ります。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 さとう小児科 院長  佐藤 潤一郎

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これからの小児科クリニックは?

2023年10月01日

8月・9月は毎年学会やセミナーが多数開催され、刺激を受ける機会が多い時期です。

 

これから世界はどのように変わっていくのか。

それに伴い子供達をとりまく環境はどのように変わっていくのか。

そして我々小児科医には一体どんな役割ができるのか、といったことを考えていました。

 

人口急減・超高齢化問題は現在進行形で訪れている社会問題です。

それに拍車をかけているのが少子化問題でしょう。

少子化対策は日本の存続をかけた今まさに取り組まないといけない問題です。

 

我々小児科医に求められる役割も時代の変化とともに変わってきています。

病気を診るだけでなく、いつも通ってくれる子ども達の成長・発達のちょっとした変化に気づき、共感し、家族と併走できるような小児科クリニックを目指していきたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 少子化問題院長の言葉

子どもの性教育を考える

2023年08月01日

先日、2021年度の人工妊娠中絶の実施率が発表され、宮崎県は4年連続で全国最多であることが判明しました。

本件における15歳以上50歳未満の女性1,000人に対する実施率は7.5であり、全国平均は5.1、最も少ない茨城県では2.4となっています。

これは本件にとって由々しき問題であり、早急に手を打たなければいけません。

このような報道があると「若年世代への性教育」が話題になります。

正しい性教育は自分達の体を守るとともに性暴力や性被害が何たるかを知る機会となり、結果的には性虐待の防止につながると考えられています。

 

しかし、学校の現場では「はどめ規定」があり、性行為は取り扱わないことになっており、有識者と文科省との間で長年押し問答が行われています。 8月19日(土)14:00より宮崎県医師会館で開催する子どもの健康セミナーでは、仙台市の川村和久先生をお招きし、「親子で学ぼう「命のつながり」」~小学4年生「命の大切さ」を伝える性教育~というテーマで講演していただきます。

先生は「子どもへの性教育」ということで先進的に活動されております。

ご興味のある方は是非ご参加ください

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: セミナー性教育

『子育て支援の経済学』

2023年06月01日

先日、日本小児科医会の主催する、第25回「子どもの心」研修会(前期)に『子育て支援の経済学』の著者である山口慎太郎先生をお招きし、講演をしていただきました。

 

少子化対策には、女性の家事・育児の負担を軽減させることがポイントとし、その政策として

(1)保育所拡充と待機児童解消(現物給付)

(2)男性育休推進

をあげています。

 

特に印象的だったのは、「男性の育児休業」の取得が少子化対策に繋がる話でした。

日本の場合、男性の育児休業は約4〜6週と短めですが、それでも育児休業は積極的に取得するべきとしています。

なぜならば、育児休暇を取得した場合、取得しなかった場合と比べると

(1)3年後の子育て時間・家事時間が優位に長くなる

(2)母親のフルタイム就業率が5%増加する

ことがあげられます。

 

男性が育休休業を取得しやすくするためには、休業中の賃金保証をすることが大切になってきます。

 

今回の講演で、少子化対策には男性の育児参加が大切であることを再認識させられました。

作成者:さとう院長

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タグ: 子育て少子化対策

新型コロナが5類に移行して何が変わるか?

2023年05月01日

5月8日から新型コロナウイルスの感染法上の分類が2類から5類に変更になります。

「5類になったら小児科クリニックはどうなるの?」基本的には大きく変わりません。

というのも、小児科の殆どのクリニックは、新型コロナウイルスの検査・診察を行ってきたからです。

 

懸念事項として、

①類型が引き下げられても新型コロナウイルスの病原性が弱毒化するわけではありません。

今後も、このウイルスは変異を繰り返します。

このウイルスがどのように変異していくか引き続き注視していく必要があります。

 

②約3年間隔離されていたものをインフルエンザと同等扱いするには、世の中の同意が十分に得られていないと感じます。

インフルエンザと同等の扱いになっても、新型コロナウイルス感染者をその他の発熱患者さんと同じ空間でいてもらうことに社会の同意はまだ十分得られていないと思います。

当分は、今まで同様、新型コロナウイルス感染の疑いのある方はその他の方と分けて診察になります。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 新型コロナウイルス

『夜尿症』と『自己肯定感』

2023年04月01日

毎年、年度初めになると「夜尿症」の相談が多くなります。

特に、学校行事やクラブ活動で宿泊を伴う機会が多くなる小学校高学年のお子さんの相談が非常に多くなります。

 

夜尿症があるお子さんの自己肯定感は低くなりがちです。

ただでさえ、漏れてしまうことへの罪悪感、他の兄弟(特に弟や妹と)との比較、他人に言えない孤独感、早く治したい焦り。

これだけでもしょんぼりしがちですが、それに加え、親御さんから「なぜ漏らしてしまったの」という叱責が加わると・・・想像するだけでも辛くなってきます。

 

多くの場合、夜尿症はそのまま放置でもいずれ改善します。

しかし、生活療法を含めた治療を行うと治癒の時期を早めることができます。

また、宿泊の際も計画的に準備をすれば、本番の時におもらしを回避することが可能となります。

 

勿論、本人の努力や御家族の協力は必要ですが、加療し夜尿症を克服したお子さんはとても嬉しそうな顔をします。

一人でも多くの夜尿のお子さんに笑顔になってもらいたい!

 

当院では、夜尿症の治療は自己肯定感を高めるためのいい機会と捉えています。

作成者:さとう院長

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タグ: 夜尿症自己肯定感

「子どもの権利条約」〜「4つの権利」と「4つの原則」

2023年02月01日

子どもの権利条約は、子どもが一人の人間として基本的人権を所有し行使する権利を保障する条約です。

1989年11月20日に国連総会で採択され、1990年9月2日に国際条約として発行され、日本では1994年に批准されました。

「子どもの権利条約」には前文と54条項が記載されています。

各条項で規定されている内容は、子どもの「4つの権利」に該当します。

①生きる権利 ②育つ権利 ③守られる権利 ④参加する権利 です。

子どもの権利条約には、「子どもの権利」を行使するため、子どもだからこその権利も盛り込まれています。それが、4つの原則です。

①生命、生存及び発達に対する権利 ②子どもの最善の利益 ③子どもの意見の尊重 ④差別の禁止 になります。

しかし、成長段階にある子どもは身体的・精神的に未熟で、経済力もありません。

立場の弱い子どもが自立できるまでは、社会から十分な配慮や保護が必要です。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子どもの権利院長の言葉