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 さとう院長 の個人ブログページです。

 日頃から感じていることや医療に対する考えなどを、ゆったり綴って参ります。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 さとう小児科 院長  佐藤 潤一郎

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「子どもの権利条約」と未来への責任

2025年11月01日

11月20日は、国連で「子どもの権利条約」が採択された日であり、「子どもの権利の日」として知られています。

この条約は、18歳未満のすべての子どもが持つ基本的な権利を国際的に保障するもので、日本は1994年に批准しました。

条約が定める4つの基本的な権利は以下の通りです。

 

1.生きる権利    

2.育つ権利     

3.守られる権利   

4.参加する権利

 

この条約の基本理念は「子どもの最善の利益」と「差別の禁止」であり、すべての子どもが平等にこれらの権利を享受することが求められます。

そして、私たち大人には、子どもの声に耳を傾け、権利を守り抜く責任があります。

日本国内では、2023年4月に施行された「こども基本法」が、「子どもの権利条約」の精神を直接的かつ包括的に取り入れた、こども政策の基本法となっています。

11月20日を迎えるにあたり、未来世代の尊厳と幸福を最優先するために、子どもの権利実現に向けた具体的な行動を、社会全体でより一層力強く推し進めていきましょう。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子どもの権利条約院長の言葉

これからの小児科医の役割を考える

2025年10月01日

小児科医療の対象が思春期までと考えると、健やかな思春期卒業に向けて、幼少期から日々の健診や診療で将来を見据えた対応が必要ではないかと考えます。

 

 

1. 健やかな生涯の土台作り: 栄養、睡眠、運動といった基本的な生活習慣の重要性を幼少期から伝え、成人病の予防と強固なメンタルヘルスの土台を築くことを目指す。

2. 変化を恐れず、自分らしく成長する支援: 成長の多様性と思春期の変化について正確な情報を提供し、子どもと保護者の不安を軽減します。

 子どもたちが変化を自然に受け入れ、自信を持って未来へ進むための心構えを育む。

3. 家族と共に歩む包括的な成長サポート: 定期健診を通じて、発達や行動上の困りごとを家族と共有し、適切な関わり方を共に考えます。

 保護者へのペアレント・トレーニングを実施し、健全な愛着形成を支援する。

 

上記のようなことを考えながら、診療にあたっていく必要があるのではないかと考えます。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ペアレント・トレーニング, 小児科医療, 院長の言葉

お子さんの発達相談はかかりつけ小児科医で

2025年09月01日

お子さんの発達について、「少し気になるな」と感じることはありませんか?

「もしかして、うちの子だけ?」と不安になったり、「どこに相談すればいいんだろう」と悩んだりする保護者の方が増えています。

現在、宮崎市総合発達支援センターでは、初めての診察までに7ヶ月も待つ必要があるほど、多くの方が相談を希望されています。

そんな時こそ、まずは、お子さんのかかりつけ医の小児科の先生にご相談してみてはいかがでしょうか。

発達の専門機関を受診する必要があるかどうかだけでなく、日頃からお子さんのことをよく知っている先生に相談することで、保護者の方の不安な気持ちも和らぐことでしょう。

お子さんにとって身近な存在であるかかりつけ医の先生が、専門機関とも協力しながらサポートすることで、多くのお子さんが適切な支援を受けられるようになるでしょう。

少しでも気になることがあれば、ひとりで悩まず、まずはかかりつけの小児科の先生に相談してみましょう。

作成者:さとう院長

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タグ: かかりつけ医子どもの発達

自殺対策基本法が改正されました

2025年08月01日

今年6月、増加する子どもの自殺対策を強化するため、自殺対策基本法が改正されました。

この法律は、子どもの自殺対策を国全体で推進することを基本理念とし、国だけでなく地方自治体、学校、民間団体などが連携して対策を進めることが強調されています。

また、国と学校の役割が明確化されました。

国は関係省庁と連携して対策を推進することを、学校には生徒の心の健康保持のための健康診断や保健指導、精神保健に関する知識の向上に努める義務を、それぞれに課しています。

さらに、SNSなどでの誹謗中傷や自殺を誘引する情報への対策として、AIの活用やインターネット上の情報への適切な配慮を促す取り組みも盛り込まれています。

 

その他、自殺未遂者や遺族への継続的な支援強化も明記されました。

年々増え続ける子どもたちの自殺を食い止めるため、より包括的で具体的な対策を行い、子どもの自殺の歯止めに繋がることを期待します。

作成者:さとう院長

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タグ: 子どもとメディア子どもの自殺

デジタル社会の子育て
「幼児期に大切なこと」

2025年07月01日

今年の1月に、日本小児科医会から新しいポスター『保護者の方へ デジタル社会の子育て「幼児期に大切なこと」』が発表されました。

私もこのポスターの製作に携わらせていただきました。

 

長年、子どもに関わっている方たちの中には、「昔と子どもたちがかわってきた」と感じでいる方も多いのではないでしょうか?

要因は様々あるかと思いますが、私は「子どもたちの育ちが妨げられているのではないか?」との思いを長年持ち続けてきまし健診時にプリントアウトしたものを渡しています。

ご興味がある方は、日本小児科医会のHPからダウンロードして下さい。

 

幼児期は乳児期に引き続き、心や体が発育する大切な時期です。

この時期に「大切なこと」として「遊び」「生活リズム」「目」「会話」をあげています。

いずれも子どもの健全な育ちに「大切なこと」です。

 

当院では、1歳健診時にプリントアウトしたものを渡しています。

ご興味がある方は、日本小児科学会のHPからダウンロードして下さい。

作成者:さとう院長

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タグ: デジタル社会の子育て子どもとメディア

百日咳の予防を再考する

2025年06月01日

最近、「百日咳が流行している」という報道をよく耳にしますが、百日咳の流行は以前から懸念されていました。

 

現行の予防接種スケジュールでは、5種混合ワクチン(以前は4種混合ワクチン)接種は1歳半までに終わっている場合が多く、接種後3年程度で抗体陽性率は低下し始めるので、5〜6歳で大幅に低下、11〜12歳ではほとんどの子が免疫を失っている可能性があり、日本小児科学会は、年長児や小学校高学年への3種混合ワクチンの追加接種を推奨しています。

また、百日咳は新生児が重症化する病気です。赤ちゃんをしっかり守るため、海外では赤ちゃんを百日咳から守る「母子免疫ワクチン」が推奨されています。

妊娠27〜36週頃に百日咳ワクチンを接種し、母体から赤ちゃんに抗体を移行させ、生まれてからの百日咳感染を予防するのです。

 

百日咳から子どもたちを守るため、新たな予防体制を確立することが必要な時期に来ているのではないかと感じます。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 混合ワクチン百日咳