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子育てに「タイパ」はお休み。 子どもの時間は「遠回り」でできている

2026年09月01日

毎日仕事に家事にと、本当にお疲れ様です。

何かと忙しい現代、効率を重視したくなるのは自然なこと。

日々奮闘されている親御さんには、心から頭が下がります。

しかし小児科医としてお伝えしたいのは、子育てに有効な近道はないということです。

子どもの健やかな成長には、十分な時間が必要なのです。

親が手早く正解を与えて効率化を図ると、子ども自身の試行錯誤する貴重な機会を奪ってしまいます。

大人には「無駄な遠回り」に見える時間も、子どもの頭の中では「大切な冒険と成長」の真っ最中なのです。

成長に合わせて必要な時に手を差し伸べ、時にはぐっとこらえて「見守る」時間こそが、子どものたくましさや自主性を育むのです。

時にはタイパをお休みして、お子さんのペースに合わせた「遠回り」の時間を、一緒に大切に していきましょう。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て院長の言葉

「厳しい指導(しつけ)」と「体罰(暴力)」を考える

2026年06月01日

児童福祉法等で体罰が全面禁止された今も、「しつけ」との境界線が議論されるのはなぜでしょうか。

根強い感情論に対し、脳科学は体罰や暴言が子どもの脳を変形させ、メンタル悪化に直結することを証明しています。

それでも体罰が容認されがちなのは、恐怖による「即効性」への錯覚や、「自分も耐えて成功した」という生存者バイアスがあるためです。

暴力は大人のスキル不足の裏返しに過ぎず、子どもの真の成長には繋がりません。

私たちは感情的な支配を排し、科学的根拠に基づく指導法を選択していく必要があります。

その一例が、長期的視野で温かさと相互理解をベースに課題を解決する「ポジティブ・ディシプリン」です。

このアプローチへの転換は単なる優しさではなく、子どもたちの可能性を最大化する賢明な社会戦略です。

今こそ求められるのは、過去の経験に囚われない大人の冷静さではないでしょうか。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: しつけ, 体罰, 子育て

「本の読み聞かせ」と脳

2024年03月01日

「脳トレ」で有名な東北大学の川島隆太先生が「本を読むだけで脳は若返る」という著書の中で “本の「読み聞かせ」と脳の関係” について記載がありましたので紹介します。  

本の読み聞かせをしているときに脳のどの場所が最も活性化されているかを脳科学的に調べたそうです。  

読み手(親)の脳で最も活性化している場所は、“こころの脳”である「背内側前頭前野」で、他者の気持ちを慮ったり、場の空気を読んだり、表情から相手の考えを読み取ったりする領域です。  

一方、聞き手(子ども)の脳で最も活性化しているのは“原始的な脳”である「大脳辺縁系」で、情動や感情の処理を行う領域になります。  

以上の実験結果から、川島先生は「読み聞かせという読書は『心と心の触れ合いの場』を作る活動」 とし、本の読み聞かせを強く推奨しています。  

著書の中で、「週に3日、毎回10分」の読み聞かせでも効果が出ると記していますので、 毎日が難しい場合はまずは週に3日から読み聞かせを行なってみてはどうでしょうか。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て読み聞かせ

『子育て支援の経済学』

2023年06月01日

先日、日本小児科医会の主催する、第25回「子どもの心」研修会(前期)に『子育て支援の経済学』の著者である山口慎太郎先生をお招きし、講演をしていただきました。

 

少子化対策には、女性の家事・育児の負担を軽減させることがポイントとし、その政策として

(1)保育所拡充と待機児童解消(現物給付)

(2)男性育休推進

をあげています。

 

特に印象的だったのは、「男性の育児休業」の取得が少子化対策に繋がる話でした。

日本の場合、男性の育児休業は約4〜6週と短めですが、それでも育児休業は積極的に取得するべきとしています。

なぜならば、育児休暇を取得した場合、取得しなかった場合と比べると

(1)3年後の子育て時間・家事時間が優位に長くなる

(2)母親のフルタイム就業率が5%増加する

ことがあげられます。

 

男性が育休休業を取得しやすくするためには、休業中の賃金保証をすることが大切になってきます。

 

今回の講演で、少子化対策には男性の育児参加が大切であることを再認識させられました。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て少子化対策

「ペアレント・トレーニング」(以下PT)をご存知でしょうか?

2022年11月02日

「ペアレント・トレーニング」(以下PT)をご存知でしょうか?  

PTは発達障害のある子どもの保護者を対象にしたプログラムですが、全ての子育てに通ずる考え方ですので、簡単に紹介します。

PTの考え方では、子どもの行動を、①好ましい行動 ②好ましくない行動 ③危険な行動・許しがたい行動 の3つに分類します。

保護者は、それぞれの行動に対し、①→ほめる ②→叱らずに無視(見て見ぬふり)をする ③→制限を設ける で対処します。

②は叱らなくていい場合があるので、②と③を区別することが重要です。

また、②や③の行動をとっていても①に転じた場合は、すかさずほめることが大切になります。  

 

PTがうまくいくコツは、ほめのハードルを下げることです。

ちょっとした好ましい行動でも保護者にほめてもらうと子どもは嬉しいものです。

保護者の方が子どもの上手なほめ方を学ぶことにより親子共に自己肯定感を高め、結果的に親子の良い関係を築くことを願います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ペアレント・トレーニング子育て

潤一郎先生の子育てブログ.1 「産後クライシス」

2018年10月19日

今回、テーマに選んだのは「産後クライシス」。

これは、夫婦関係の話題で最初に選ぶテーマとしては不適切かもしれませんが、敢えてこのテーマを選んだのは、“夫婦仲は子供の将来に大きく影響を与する”からです。

「産後クライシス」という言葉は、2012年にNHKが提唱した言葉で、「出産から子どもが2歳ぐらいまでの間に、夫婦の愛情が急速に冷え込む現象」を指し、実際、母子家庭の約30%は、末子が2歳未満で離婚しています。

 

なぜこのようなことが起きるのか?

それは、出産の前後での女性の体内での内分泌学的変化が原因と考えられています。

女性は、出産の前後で「オキシトシン」というホルモンが多く分泌されます。

オキシトシンの生理的作用は、分娩促進や乳汁分泌促進になりますが、近、このオキシトシンが脳に作用していることが分かってきました。

オキシトシンは、我が子やパートナーへ愛情を強める働きがあり、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」といわれることもあります。

しかし、「他者への攻撃性」を強める作用もあります。

これは、本来、子どもを外敵から守るためと考えられていますが、女性の場合、育児に非協力的な人は「攻撃の対象」となり、女性のイライラ感が強められる原因となるのです。

 

さて、我が家はといいますと、お産の陣痛で妻が痛がっている際、冗談混じりで妻を励ましていましたが、ある瞬間“これ以上言うと一生恨むぞ”という目つきで私を睨みました。

まさに、オキシトシンが大量に分泌され攻撃性が顔を出した瞬間を私は体験しました。

それから私は、お産が終るまで数時間、一言も言葉を発しませんでした。

 

先日、知り合いの弁護士の先生と出産前後の女性の話をしていた時、「夫婦問題の相談を受けると、特に女性の場合は、出産時の夫の行動を非難するケースが少なくないです。」という話を聞きました。

私の母も出産の際の父の行動を未だに鮮明に覚えているようです。

オキシトシンは出産前後の嫌な記憶を増強する作用もあるようです。

 

女性は出産を契機に必ず変わります。

生物学的に「お母さん」になるということはそういうことなのです。

私が今回、皆さんにお伝えしたいことは、それでも子供が生まれたからには、その子供が健全に育つため子供を中心においた話を御両親でして欲しい、そのためにはお互い協力できるところは協力していただきたい、ということを記して今回の話を終わりにしたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て院長の言葉

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