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「ペアレント・トレーニング」(以下PT)をご存知でしょうか?

2022年11月02日

「ペアレント・トレーニング」(以下PT)をご存知でしょうか?  

PTは発達障害のある子どもの保護者を対象にしたプログラムですが、全ての子育てに通ずる考え方ですので、簡単に紹介します。

PTの考え方では、子どもの行動を、①好ましい行動 ②好ましくない行動 ③危険な行動・許しがたい行動 の3つに分類します。

保護者は、それぞれの行動に対し、①→ほめる ②→叱らずに無視(見て見ぬふり)をする ③→制限を設ける で対処します。

②は叱らなくていい場合があるので、②と③を区別することが重要です。

また、②や③の行動をとっていても①に転じた場合は、すかさずほめることが大切になります。  

 

PTがうまくいくコツは、ほめのハードルを下げることです。

ちょっとした好ましい行動でも保護者にほめてもらうと子どもは嬉しいものです。

保護者の方が子どもの上手なほめ方を学ぶことにより親子共に自己肯定感を高め、結果的に親子の良い関係を築くことを願います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: ペアレント・トレーニング子育て

潤一郎先生の子育てブログ.1 「産後クライシス」

2018年10月19日

今回、テーマに選んだのは「産後クライシス」。

これは、夫婦関係の話題で最初に選ぶテーマとしては不適切かもしれませんが、敢えてこのテーマを選んだのは、“夫婦仲は子供の将来に大きく影響を与する”からです。

「産後クライシス」という言葉は、2012年にNHKが提唱した言葉で、「出産から子どもが2歳ぐらいまでの間に、夫婦の愛情が急速に冷え込む現象」を指し、実際、母子家庭の約30%は、末子が2歳未満で離婚しています。

 

なぜこのようなことが起きるのか?

それは、出産の前後での女性の体内での内分泌学的変化が原因と考えられています。

女性は、出産の前後で「オキシトシン」というホルモンが多く分泌されます。

オキシトシンの生理的作用は、分娩促進や乳汁分泌促進になりますが、近、このオキシトシンが脳に作用していることが分かってきました。

オキシトシンは、我が子やパートナーへ愛情を強める働きがあり、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」といわれることもあります。

しかし、「他者への攻撃性」を強める作用もあります。

これは、本来、子どもを外敵から守るためと考えられていますが、女性の場合、育児に非協力的な人は「攻撃の対象」となり、女性のイライラ感が強められる原因となるのです。

 

さて、我が家はといいますと、お産の陣痛で妻が痛がっている際、冗談混じりで妻を励ましていましたが、ある瞬間“これ以上言うと一生恨むぞ”という目つきで私を睨みました。

まさに、オキシトシンが大量に分泌され攻撃性が顔を出した瞬間を私は体験しました。

それから私は、お産が終るまで数時間、一言も言葉を発しませんでした。

 

先日、知り合いの弁護士の先生と出産前後の女性の話をしていた時、「夫婦問題の相談を受けると、特に女性の場合は、出産時の夫の行動を非難するケースが少なくないです。」という話を聞きました。

私の母も出産の際の父の行動を未だに鮮明に覚えているようです。

オキシトシンは出産前後の嫌な記憶を増強する作用もあるようです。

 

女性は出産を契機に必ず変わります。

生物学的に「お母さん」になるということはそういうことなのです。

私が今回、皆さんにお伝えしたいことは、それでも子供が生まれたからには、その子供が健全に育つため子供を中心においた話を御両親でして欲しい、そのためにはお互い協力できるところは協力していただきたい、ということを記して今回の話を終わりにしたいと思います。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て院長の言葉

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潤一郎先生の子育てブログ.0 「はじめに」

はじめに

今回、「子育て記」を書こうと決めるにあたり、親しい友人や諸先生方に相談させていただきました。

その中で、「是非、子育てを通し、小児科医の視点で、子どもの置かれている状況や、これからの子どもたちに必要なことを考えて欲しい。」と励ましをいただきました。

 

「子育て記」を記そうと考えた一番の理由は、自分の行ってきた「子育て指導」を「自分の子育て」を通して今一度改めてみたいと考えたからです。

自分が行ってきた「子育て指導」が机上の空論になっていないのか?

別のアプローチでの指導の仕方はないのか?

自問、振り返りながら子育てを行い、その中でより現実的で効果的な子育ての仕方を考え、日頃の子育て指導にフィードバックしていきたいと思います。

 

小児科医になり今年で20年になります。

これも何かの一つの節目ではないかと考えます。

目の前の新しい命は、この世に生まれ、とかく一生懸命もがきながら今日も生きようとしています。

そのような命を前に、この上ない愛おしさを感じるとともに、この命が健全に育ってくれる社会であることを切に希望します。

今、子育てをしているお父さん・お母さん、私も仲間に入れて下さい。

 

この子どもたちの明るい未来のため、皆で力をあわせ子育てのしやすい街作りをしていこうではありませんか。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て院長の言葉

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前向き子育て15か条

2018年01月01日

「子育てって大変…」

「こんな悩みわたしだけ?」

誰もがもっている子育ての悩み。

子育てに悩む、という事はそれだけ真剣にお子さんと向き合っている証拠です。

昨年9月、佐藤小児科スタッフは小児外来小児科学会に参加し、「前向き子育て十ヶ条を考えよう」というテーマで様々な職種の方々と意見交換をしました。  

 

そこで考えた前向きになる幼児向け子育て15か条をご紹介します。

  1. 子どもが好ましい行動をしているときに描写して褒める
    行動を具体的に褒めましょう。
  2. 子どもが呼びかけてきたら手を止めて笑顔で子どもを見ましょう。
  3. 子どもの話は子どもと同じ目線で否定せずに最後まで聞きましょう
  4. 子どもの興味や行動を認め、一緒にやってみましょう
  5. 子どもが疑問や興味を持ったら、一緒に考えましょう
  6. 子どもと接しているときは、スマホを置いておきましょう。
  7. 上手にできたこと、チャレンジしたことに注目してあげましょう。
  8. 私メッセージで伝えましょう。
  9. ハグ、タッチなどスキンシップを多くとって、親子で甘えあいましょう。
  10. 寝る前に抱きしめてあげて大切な存在だよと伝えましょう。
  11. 子どもにお手本を見せてあげましょう。
  12. 発達段階に応じて家庭環境を整えましょう。
  13. 怒るではなく叱るようにしましょう。怒るは親の感情です。
  14. 困ったときは一人で悩まず誰かに相談しましょう。
  15. ほっとできる場所、ほっとできる人がいると心に余裕が持てますよ。

子育てさぼってもいいですよ (^^)

 

参考:トリプルP~前向き子育て17の技術

子育てハッピーアドバイス

日本外来小児科学会

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て

子どもの集中力はどれくらいもつの?

2017年02月01日

子どもの集中力はどれくらいもつの?

よく、親御さんから「この子、集中力がないんです」と相談されることがあります。

小学校の子どもはいったいどの くらい集中力がもつのでしょうか?

 

子どもの集中力は大人ほど持続しません。

「学年×10分」だとか「学年×10+10分」といわれています。

例えば小学校3年生ではどれくらい集中力が続くのかというとせいぜい30~40分ということになります。

(ちなみに大人はもって90分です)

 

では、子どもはどのような時、集中出来ますか?

元気よく外で遊んでいる時、自分の興味がある事をやっている時…自分が楽しい事なら集中出来るのです。

時間を区切ってあげたり、勉強に変化がつくと効率が良くなり飽きなくなります。

そして、勉強に遊びの要素が加わると勉強が楽しくなります。

 

「勉強しなさい!」というだけでなく、どのようにすれば集中出来るかという視点で接してみましょう。

作成者:さとう院長

カテゴリー: さとう院長ブログ

タグ: 子育て

子どもの足を考える

2013年11月15日

 子どもの98%は健康な足をもって生まれてきますが、大人の60%は足の障害で苦しんでいるのが現状です。

 幼少期は、足が成長する大切な時期です。

 くつによって、足の形が悪くなったり歩き方に癖がついたり、からだのバランスが崩れ、将来にわたって膝や股関節、腰の痛みを誘発する一因になったりすることが考えられます。

 足は体の土台であり、土台が安定しないということは、からだ全体が安定しないということです。
 最近はデザイン性に重きを置いている靴が多いですが、「子どもの足にとって良いくつとは?」という視点を忘れないで欲しいと思います。

良いくつを履いてたくさん歩いて、自然や社会に触れ五感を開き体で学ぶ体験を通して、健康な体そして豊かな心を育てて欲しいと思います。

 

子どもの足の特徴

軟骨が多く、成長に伴い形が変化します。 

・赤ちゃんの足の骨は、柔らかい軟骨の状態。
・4才くらいから少しずつ硬い骨になる。
・骨が完成するのが10才頃。
・大人の足になるのが18才頃。

 

足のアーチ(土踏まず)の形成時期は・・。

足裏の中央部が平らでアーチのない偏平足の子どもが増えています。

乳幼児期は土踏まずの部分の脂肪が多いため偏平足のように見えますが、歩いて体を動かすことで4才くらいまでに土踏まずが形成されていきます。

4~5才を過ぎると、偏平足を治すのは難しくなってくるようです。

※子どもの足はとてもデリケートです。
成長期間に、良いくつを正しく履いて、足を作ることが大切です。
足を育てるためには、歩くなどの運動を十分にすることが重要です。

 

 くつの選び方

・前足部が広く、5本の指が締め付けられないゆとりがある。
・くつ底が、硬すぎず柔らかすぎないもの。くつ底が前から3分の1あたりで曲がる程度の弾力性があるとよい。
・しっかりとかかとを包み込むもの。足がくつの中で動かず歩行が安定する。
・すぐに大きくなるからといって、大きすぎるくつを選ばない。

 

くつの履き方 (ワンタッチテープ・ひもタイプ)

 (1) テープをはずして、足を入れる。
 (2) つま先を上げて、かかとトントン♪♪
 (3) ゆるみがないように、テープどめ。

※ひも靴は毎回ひもをゆるめて脱ぎ、 履くときは必ずひもを結ぶ。

 

 買い換え時について

 3才頃までは3ヶ月ごと、それ以降は6ヶ月ごとが 目安です。

くつと足に異変がないかも意識してチェックしてみましょう。

・かかとを踏んでいないか? 
・くつのすり減りに偏りがないか?
・爪は割れていないか?   
・指は曲がっていないか? 
・タコやマメは出来ていないか? 

 

☆足に良いくつを選んで、正しいくつの履き方を覚えましょう。

☆お子さんの足に関心を持って、成長に合わせてくつが合っているか、チェックしましょう。

 

 

※参照 日本外来小児科学会のワークショップにて、松田隆先生(鳥取県、まつだ小児科)、柳本有二教授(神戸常磐大学)、内田俊彦先生(整形外科医師 医学博士)にお話しをお伺いしました。

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 子どもの健康子育て