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かばくん通信(院内報)

【 かばくん通信について 】

 さとう小児科の院内報として作成している「かばくん通信」。
 平成18年5月に第一号を作成して以来、ご来院いただいた皆様に支えながら、毎月一回の発行を続けております。
 当院からのお知らせや感染症情報、気なる病気の詳しい情報や「こども医療」に係わる注目情報を、サクッと取りまとめてご案内しています。
 当院の受付にて配布(無料)していますので、ご来院の際はどうぞお手にとってごらん下さい。

 院内報「かばくん通信」および当ホームページのコンテンツは、さとう院長を編集長として、さとう小児科スタッフの全員で記事を作成してます。

Recent Posts

風疹ワクチン接種費用一部助成について

2013年06月07日

 風疹の流行が社会問題になっています。

 現在の流行は、20~40代の男性の罹患が多いです。この世代は、過去のワクチン制度下ではワクチン対象者として漏れていた世代で、実際に抗体保有率が低くなっています。

 ウイルス感染の最大の問題点は、妊娠初期の女性が感染すると胎盤を通して胎児に感染してしまい、先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome:CRS)を合併することです。
先天性風疹症候群の赤ちゃんは、生まれもって白内障や心疾患、難聴といった障害をもって生まれてきます。

統計によると、1999年4月から2012年12月までの間に生まれた先天性風疹症候群の赤ちゃんは24名で、2012年に限ると5名生まれています。
しかし、2013年はまだ半年も経っていないのに5名の出生があり、この数は今後も増え続けると予想されます。

 風疹は社会で制圧する感染症です。風疹はワクチンで予防できます。

  6月6日から宮崎市でもMRワクチンを接種する方へワクチン代の一部助成(4000円)が始まりました。
この機会に、抗体価が低い女性だけではなく、妊娠可能な女性の御主人も接種しましょう。

 (詳細は「麻しん風しん混合(MR)ワクチンの任意接種における接種費用の一部助成について」をご参照ください。)

作成者:さとう院長

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: お願いワクチン

タイプ: ワクチン

便秘について

2013年06月06日

《便秘とは》

便の回数が1週間に2回以下で排便困難を伴うものと言われていますが、明確な定義ではありません。
4~5日間隔でも規則的で苦もなく便が出ていれば便秘ではないし、逆に毎日便が出ていても、残った便が少しずつ蓄積して腹痛の原因になったりすれば、それは便秘です。

 

《便秘の症状》

乳児ではお腹が張って機嫌が悪くなったり、哺乳が悪くなったりします。
排便時に激しく泣いたり、硬い便に血が付くこともあります。
2~3歳になると腹痛や排便時の肛門の痛みを訴えるようになります。         

 

《便秘の原因》

新生児期

母乳の方がミルクで育てているよりも排便の回数は多いようです。
生後1~10週ぐらいの時に苦しそうに排便をするのは、力んだり肛門を緩めたりできないからで、しばらくすれば排便方法が身に付くので問題ありません。
1ヶ月を過ぎると腸の働きが整い、母乳の消化吸収がよくなるため排便の回数が減ります。

乳幼児期

特に離乳食が始まった頃に便秘がちになる子どもは多く、なかには牛乳の飲みすぎによるものもあります。 野菜や果物の摂取量が少なかったり、繊維不足でも便秘になりやすくなります。 偏った食事や運動不足のほか、肛門痛や学校でトイレに行けない等の心理的な要因も便秘の原因となります。

 

《便秘の予防》 

マッサージ(乳児期)

 ・『の』の字マッサージ…仰向けに寝かせて、おへそを中心に時計回りに優しくさすります。
 ・金魚運動…お尻と足を支えるように持って、金魚が泳ぐかのように左右に動かします。
 ・屈伸運動…寝転んだ赤ちゃんの足首を持って、ペダルこぎの要領で足を屈伸させます。
 ・肛門マッサージ…両足を持ち上げて、肛門のすぐ上の辺りや肛門の周りをゆっくりと押します。

 

母乳の質改善(乳児期)

母乳の質は母親の食べる物に大きな関係があるといわれています。
肉や乳製品など脂肪分が多いものばかり食べると母乳もドロドロして出にくくなり、乳児はおっぱいを吸う力がいるため汗をかき水分不足となります。

 

便秘改善の食事(乳幼児期)

 ・便を軟らかくする・・・ビタミンCやペクチンを多く含む食材(人参、バナナ、オレンジ、プルーンなど)
 ・腸を整える・・・・・・乳酸菌。善玉菌が生きたまま腸に届くものを選ぶとよいでしょう。
 ・便の量を増やす・・・・消化されにくい食物繊維を多く含む食材(豆類、海苔、きのこ類など)

 

規則正しい生活リズム(幼児期)

決まった時間にトイレに座る習慣は排便の改善に不可欠です。身体が慣れてくると、条件反射の働きも加わり一層排便しやすくなります。
時間としては、朝食後の少しでも便意を訴えた時が最適で、トイレに5~10分ゆっくりと座らせましょう。
リラックスして座れるように明るく快適なスペースにしてあげましょう。

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 便秘子育て

スキンケアについて

  今月は、スキンケアのお話です。

 こどもの皮膚は、おとなの皮膚に比べてうすく、角質層の水分保持機能が低下しています。
また、水分の蒸散を防ぐ皮脂の量も少なく乾燥しているため、こどもの皮膚は敏感でトラブル(湿疹や皮膚炎)を起こしやすくなっています。

 皮膚にトラブルが起きると、外的刺激の侵入やバリア機能の働きが低下します。
乾燥肌や皮膚のトラブルはかゆみ(掻痒感)を催し、皮膚を掻くと更に外的な刺激を受け、皮膚の働きが低下するといった悪循環に陥ります。

 スキンケアの基本は、清潔と保湿です。
これからの季節は、発汗が多くこどもはあせも(汗疹)が出来やすくなるため、汗をかいたら、拭き取ったり洗い流し清潔を保つことが大切です。 

 これからの季節はクリーム・軟膏タイプよりもローションタイプの方が使い勝手が良いですが、皮膚の状態が悪い時は、ローションタイプよりもクリーム・軟膏タイプの方が表面保護の効果が強く理想的です。

作成者:小児科スタッフ

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: スキンケア湿疹

絵本との出会い

2013年05月03日

『小児科医が見つけたえほんエホン絵本』という本を読まれたことはありますか?

 この本は、絵本が大好きな小児科の先生の絵本に対する熱い気持ちや、温かい思い出のお話がつづられた本です。当院の待合室にこの本を置いていますので、ぜひページをめくってみてください。

 前院長のかば先生こと、佐藤雄一先生も執筆に参加しています。かば先生は、熱心な読書家で絵本も大好きでした。

 かば先生は、ブックスタート活動(7~8ヶ月健診時の絵本の読み聞かせ)や、待合室にはテレビではなく絵本を置き、絵本の紹介・貸出などを行ってきました。

 そして今春には、宮崎県立図書館に「かば先生文庫」のコーナーもできました。たくさんの素晴らしい絵本と出会い、絵本・本を大好きになってもらいたいと願います。

 親子で絵本を開き、お父さんお母さんが優しく読み聞かせをしてくれるひとときに、こどもは自分が愛され大切にされていることを実感できます。絵本を通してのふれあいが、親子の絆をより深いものとしてくれるでしょう。

小児科医が見つけたえほんエホン

『小児科医が見つけたえほんエホン』

絵本 絵本にまつわる112の小さなお話と、心温まる15のエピソードを紹介。

小児科医が見つけた約300冊の絵本情報を収載。

絵本との出会いに役立つ絵本美術館&児童書専門店リスト付き。

出版社: 医歯薬出版 (2005/12)
著作:「小児科医と絵本」の会

かば先生の執筆文をご紹介します

「赤ちゃん絵本との出会い」

 最近は赤ちゃんにどのように話しかけたらよいかわからないというお母さんが多いようです。

 そんなお母さんに、絵本を通して赤ちゃんとの楽しいひとときを持ってもらえるよう、7~8ヶ月の乳幼児健診の後に、絵本の紹介と読み聞かせをしています。

 7~8ヶ月児に絵本を読んであげると、触りたい、持ちたい、ページをめくりたいと手を伸ばしてきます。さらには、なめたり、かんだり、投げたり、落としたりと、絵本は赤ちゃんにとっておもちゃの一つです。そのため、小さな手で扱いやすいサイズ、丈夫な用紙、角が丸くて安全で、汚れが拭き取れる絵本をお勧めしています。

ごぶごぶ ごぼごぼ

『ごぶごぶ ごぼごぼ』

作・駒形克己
発行・福音館書店

 『ごぶごぶ ごぼごぼ』は、赤・青・黄の鮮やかな色使いで、赤ちゃんの目をくぎ付けにしています。

 ページをめくるたび、ワクワク!!ドキドキ!!「ぷく、ぷく、ぷくん」「ざぶ、ざぶ、ざぶん」と心地よい響きやリズムのある言葉に耳を傾けます。

 最初は興味を示さなかった赤ちゃんも、身を乗り出し、手を伸ばして自分でページをめくったり、丸い穴に指を入れたりとさまざまな反応を示します。読み聞かせというよりは、絵本を通して一緒に遊んでいるという感じです。

 そんな楽しいひとときを、絵本を通して親子で過ごしてもらいたいという願いをこめて、読み聞かせを行っています。

(『えほんエホン絵本』13ページより一部抜粋)

かば先生のオススメの絵本

鹿よ おれの兄弟よ

『鹿よ おれの兄弟よ』

学童向け絵本
作・神沢利子
絵・G.D.バウリーシン

 深い森と大きな川、大自然の中で生きていく人間と動物。

 美術館で絵画を観ているような、雄大な気持ちになる美しい絵本です。

(当院の待合室の本棚にもありますので、読んでみてくださいね。)

作成者:小児科スタッフ

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タグ: 子育て, 絵本, 読み聞かせ

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任意の予防接種における助成事業について

2013年04月14日

お知らせ

平成25年4月1日から、任意の予防接種として新たに5種類のワクチン接種の料金が一部助成される事になりました。

新たな予防接種の内容

接種時に宮崎市・綾町・国富町に住民登録のある市民が対象となります。平成25年3月31日までに接種した分については該当しません。

予防接種の種類 対象者 当院自己負担金額 上限回数
ロタウィルス(1価)
(5価)
生後6~24週
生後6~32週
3,500円
3,500円
2回
3回
水痘
(みずぼうそう)
1~2歳未満※注 3,500円 2回
※3ヶ月以上の間隔で
流行性耳下腺炎
(おたふくかぜ)
1期:1~2歳未満※注 3,500円 1回
2期:年長児(就学前)※注 3,500円 1回
B型肝炎 生後2ヶ月~1歳未満 3,500円 3回

※注:いずれも過去に罹患したことがない者

支払方法(個人負担)

窓口で、上記の自己負担額をお支払いください。(保護者・被接種者は医療機関の窓口にて、医療機関が設定した額から助成額を差し引いた料金を支払うことになります。)

接種場所

宮崎市郡内の指定医療機関で接種できます。(予防接種費用は医療機関によって異なります。)

料金変更について

4月から任意の予防接種の料金が一部変更になります。

  • ● ロタリックス1価) : 14,000円
  • ● ロタテック(5価) : 10,500円
  • ● 水痘(みずぼうそう) : 7,500円
  • ● 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) : 6,000円
  • ● B型肝炎 : 5,500円

作成者:さとう院長

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喘息のお話

2013年04月04日

 喘息とはどんな病気か御存知ですか?

 喘息は気道狭窄のため、ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴を繰り返します。喘息の治療は細くなった気道をどうやって拡げるかがポイントです。

 では、なぜ狭窄しているのでしょうか?

 気道の粘膜・筋層にわたる収縮、持続性炎症、及びリモデリングといわれる組織変化が中心となります。 喘息の治療・管理の目標は、発作、特に初発発作を早期に短時間で改善させ、次の発作を予防し、喘息死を起こさせないことになります。

 以前に比べ、喘息で亡くなる患者さんは少なくなりました。

 しかし、それは自然に良くなったからではなく、新しい抗喘息薬が開発され、その薬を上手に使うようになったからです。

 当院では、よりよい喘息治療を行うため、喘息のコントロール状態を点数で判定できる「喘息コントロールテスト(ACT)」と、ピークフローメーターを使用した「ピークフローモニタリング」を積極的に活用していきたいと考えています。

 喘息で苦しむ子どもが一人でも減らし、また、喘息を大人にまで持ち込まないために、親御さん達と協力して診察にあたって行きたいと思います。

 

作成者:さとう院長

カテゴリー: かばくん通信e

タグ: 喘息