昨年の4月、離乳食ではちみつを摂取していた生後6か月の男児が「乳児ボツリヌス症」で死亡したと言う残念な報道がありました。
宮崎市の母子(親子)健康手帳にも『乳幼児の栄養』の中で「はちみつは乳児ボツリヌス症を予防するため、満1歳までは使わない。」と記してあります。
どうして1歳未満の乳児がなぜボツリヌス症になりやすいのでしょうか?
それは、腸内細菌叢(腸内フローラ)が大きく関わっています。
成人と比べ乳児の腸内細菌叢は単純で細菌の種類が少ないです。
腸内細菌叢が単純な生後1歳未満の乳児が、ボツリヌス菌を含んだ食材を摂取すると、ボツリヌス菌の繁殖を抑える腸内細菌叢が機能しないため腸管内でボツリヌス菌の発芽や増殖が起こり、産生された毒素によって乳児ボツリヌス症を発症するのです。
最近、感染症の分野で「腸内細菌叢」の役割の重要性が再認識されています。
健全な腸内細菌叢を保つためにも不必要な抗生剤の使用は控えたいです。